正しい修理2023/01/14

中古楽器の整備をしています。
左手を通すバンドを新品に交換するところです。
ちなみに、このバンドはベースストラップという名称です。

ベースストラップのネジで調整する方と反対側は本体に留めてありますが、
この楽器ではアコーディオンメーカーが行っていない方法で留められていました。
通常、この部分はハンマーで叩いて金属を変形させて締結する金具を用います。
ですが、この楽器ではネジとナットで留めてありました。
この方法ではナットが緩んで外れるので間違った留め方です。
この部分が外れれば、演奏の継続ができないので本番中の場合は大きな問題になります。

最近はSNSなどでアコーディオンの修理をしました..など目にする事もありますが、
修理というのはその時、問題を解決したというものではありません。
良い状態が継続できるか? その方法で使う事で問題が出てこないか?
という部分が重要になってきます。
アコーディオンの修理方法は確立されていますが、一般に公開されているものではありません。
独自に工夫して修理するのは後に問題が出る事もありますので、個人の趣味の範囲です。
そんな事でSNSの賛辞を書いたり、もらって喜んだり..
そのレベルで他人の楽器を修理したり、中古を再生して販売するというのは正気の沙汰ではありません。
この楽器は、当店で買い取りする以前に整備済み中古として専門店で販売された物です。
それでも、このような修理がされているというのが現在の日本の状況です。
勿論、全てではありませんので、審美眼が必要です。