ロシアのボタン式2 ― 2010/09/05

最初に、ベースボタンの修復を行いました。
ボタンの高さは不揃いで、鳴ったままの場所もありましたが、
ベースを組みあげる時の要領でひとつずつ調整して行きました。
イタリアの楽器よりも金属が柔らかく、大きな衝撃を受けた事で
大幅に調整が狂ってしまったものと考えられます。
ボタンの高さは不揃いで、鳴ったままの場所もありましたが、
ベースを組みあげる時の要領でひとつずつ調整して行きました。
イタリアの楽器よりも金属が柔らかく、大きな衝撃を受けた事で
大幅に調整が狂ってしまったものと考えられます。

ベースのメカニック部分の修理が完了したので、リードに付いている
サブタ皮の修正に入りました。
修理前は、ご覧の通り、かなり反っています。
サブタ皮の修正に入りました。
修理前は、ご覧の通り、かなり反っています。

サブタ皮を外すと僅かにリードに錆が出ていました。
これは綺麗に錆落としをした上で調律が必要ですが、
今回は取り敢えず鳴る状態にするというご依頼なので、
リードの発音に関する部分は現状という事になります。
これは綺麗に錆落としをした上で調律が必要ですが、
今回は取り敢えず鳴る状態にするというご依頼なので、
リードの発音に関する部分は現状という事になります。

通常のアコーディオンよりも低音の出る大きなリードが付いていますが、
そのリードのサブタ皮の上には樹脂フィルムでできた押さえバネが付いていました。
ここは金属のバネを使う場合が多いですが、これは樹脂製で、
サブタ皮と共に激しく反っています。
そのリードのサブタ皮の上には樹脂フィルムでできた押さえバネが付いていました。
ここは金属のバネを使う場合が多いですが、これは樹脂製で、
サブタ皮と共に激しく反っています。

押さえバネの細い樹脂フィルムは色が均一ではないのでよく見てみるとビックリ!
これは写真のネガフィルムを細く切った物でした。
何かが写っているので拡大してみると、ヘルメットにゴーグルをした
外国人が写っていました。幅が3mm程度なので周囲に何が写っているか判りません。
これは写真のネガフィルムを細く切った物でした。
何かが写っているので拡大してみると、ヘルメットにゴーグルをした
外国人が写っていました。幅が3mm程度なので周囲に何が写っているか判りません。

これは別のカットです。民族衣装?を着た人が写っています。
同じカットが縦に並んでいるので、写真ではなく動画フィルムかも知れません。
ロシア製の楽器に入っていたフィルム。これは一体何のフィルムなんでしょうか..
面白い発見でした。
同じカットが縦に並んでいるので、写真ではなく動画フィルムかも知れません。
ロシア製の楽器に入っていたフィルム。これは一体何のフィルムなんでしょうか..
面白い発見でした。

6列入ったベースリードのうち4列は一体となっており、
これは修復が困難だな..と思いましたが、ネジで分割できる様になっていました。
これは修復が困難だな..と思いましたが、ネジで分割できる様になっていました。

リードの内側のサブタ皮もやっぱり反っています。
全部直すのはかなり大変です。
今日はここまで..
全部直すのはかなり大変です。
今日はここまで..
コメント
_ カブトガニ ― 2010/10/03 06:38
何時もこのブログ、修理の過程のコメント興味深く拝見していますが、骨董価値が有るとも思えない古いアコーディオン、これをお持ちのお方はこの楽器に愛着が有っての事でしょうが、之だけ手間隙と費用をかけて復元する価値が有るのか疑問に思うことが有ります。
_ Cookie(店主) ― 2010/10/03 11:56
カブトガニ様、こんにちは。コメントありがとうございます。
そうですね..単に費用対価値という観点で見ると直す価値があるのか?という状況は時々あります。実際、そういった説明をさせて頂き、修理に至らない事は過去にかなりの例があります。直すより、買った方が安いという事ですね。それでも修理を選択する方は、やはりその楽器への思いという物があるのでしょう。
それとは別の事例として最近時々あるのが、ネットオークションなどで入手した楽器の修理です。かなり安値で古い楽器を入手するのだと思いますが、修理費が多くかかる場合があります。それでも、買った楽器は直さない限り無駄になってしまいますので、仕方なく直す方を選択するというケースです。
25年以上経過した楽器は交換が必要な箇所が必ずありますので、古い楽器を買う場合は良く考えた方が宜しいでしょう。25年経過していなくても保存状態により内部が酷く傷んでいる場合もあります。
失敗を防ぐには、修理費用がかかっても十分に価値のある高級な中古を選ぶか、できるだけ新しい中古を選ぶか、完全に修復された中古を選ぶ事です。
専門店で売っている中古でも古い物で完全な修復をされていない事がありますので価格が安い場合は要注意です。(価格だけでは判断できない場合もありますが)
古い楽器を完全に使い物にするには費用が確実にかかりますので安くはできません。また、委託品として売っている中古は、店にあっても店の持ち物ではありませんので十分な修復がされていない事が殆どです。修理をしても出品者(持ち主)が引き取れば店は直し損ですので。売れるかどうか分からない中古楽器に高額な修理費をかけて委託販売を依頼する人はまずいません。大抵の場合、全ての音を出る様にして部分的な調律を行うところまででしょう。
中古楽器はそういった事象をよく考えて購入する事を勧めします。
そうですね..単に費用対価値という観点で見ると直す価値があるのか?という状況は時々あります。実際、そういった説明をさせて頂き、修理に至らない事は過去にかなりの例があります。直すより、買った方が安いという事ですね。それでも修理を選択する方は、やはりその楽器への思いという物があるのでしょう。
それとは別の事例として最近時々あるのが、ネットオークションなどで入手した楽器の修理です。かなり安値で古い楽器を入手するのだと思いますが、修理費が多くかかる場合があります。それでも、買った楽器は直さない限り無駄になってしまいますので、仕方なく直す方を選択するというケースです。
25年以上経過した楽器は交換が必要な箇所が必ずありますので、古い楽器を買う場合は良く考えた方が宜しいでしょう。25年経過していなくても保存状態により内部が酷く傷んでいる場合もあります。
失敗を防ぐには、修理費用がかかっても十分に価値のある高級な中古を選ぶか、できるだけ新しい中古を選ぶか、完全に修復された中古を選ぶ事です。
専門店で売っている中古でも古い物で完全な修復をされていない事がありますので価格が安い場合は要注意です。(価格だけでは判断できない場合もありますが)
古い楽器を完全に使い物にするには費用が確実にかかりますので安くはできません。また、委託品として売っている中古は、店にあっても店の持ち物ではありませんので十分な修復がされていない事が殆どです。修理をしても出品者(持ち主)が引き取れば店は直し損ですので。売れるかどうか分からない中古楽器に高額な修理費をかけて委託販売を依頼する人はまずいません。大抵の場合、全ての音を出る様にして部分的な調律を行うところまででしょう。
中古楽器はそういった事象をよく考えて購入する事を勧めします。
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