改装追加2011/09/02

少し前に、ちょっとした店内改装を行いました。
その時のブログは下記の通りですが、ちょっとだけ追加改装しました。
http://accordion.asablo.jp/blog/2011/08/09/6112611

http://accordion.asablo.jp/blog/2011/08/11/6116114
http://accordion.asablo.jp/blog/2011/08/16/6121620

と言っても、単に防音室が2つ並ぶ間の細い通路にランプを付けるだけですが..
防音室同士の隙間は短い廊下になっており、両面にポスターや掲示物が貼ってあります。
店内売り場と奥の作業場をつなぐ通路ですが、防音室の外見を建物風にした事で
この通路を路地に見立てて街灯を付けてみようという発想です。
現状は掲示物を照らす為に細い蛍光灯が付いていますが、それと交換という事です。
それで、街灯風な照明器具を色々と探しましたが、大きさや値段で
なかなか丁度良い物が見つかりませんでした。
やっと見つけたのは小振りでとても安い(多分中国製)の物。
宅配で届いた小さなダンボールは、振るとカラカラ言うので恐る恐る開けてみると..
割れた電球のガラスの破片が出てきました。
まあ、どのみに白熱電球は使うつもりも無いので本体に異常が無ければ良しとします。

本体はガラスが嵌めていない、半完成品でした。
電球のソケットの位置が高いので手持ちのソケットと交換する事にしました。
ちなみに、ソケットの交換は中身の金属部品だけです。外の陶器ケースは不使用。
白熱球なら問題なしですが、電球型蛍光灯やLEDではソケット部に回路が入って
光源が高くなるので元々の器具のソケットでは高くてランプの上の方に偏る為です。

ソケットを交換してガラスを1枚嵌めてみました。
すると、ガラスを固定するL字金具を留めるネジが僅かに長く、全部締めても雌ネジの終端に
突き当たり、金具をきちんと固定できない事が分かりました。
という訳で、ネジをヤスリで短くする作業をする事に..

ついでに、ランプの傘の内面が黒かったので、光源を有効に使う為、
傘の内面を白く塗装しました。
下地が黒いので二度塗りが必要そうです。

これで準備完了!
と、6面あるガラスを取り付けて行くと、最後に落とし穴が..
テーパーになっているガラスの下部は6面付き合わせになりますが、
なんと、最後の一枚が入る幅がちょっと狭くて完全に収まらない事が判明。
仕方なく、ダイヤモンドのヤスリでガラスのテーパーの下部を少し削りました。

ガラスも全て収まり、完成!
取り敢えず、手元にあった電球色の蛍光灯を入れましたが、
もうちょっと見栄えの良い物を買って来るつもりです。
後は、取り付けだけ。

よく見ると、この器具は配線を下へ出す設計で、線の出口が器具の下部でした。
取り付けは防音室の壁面で、配線は上へ出すので器具の上に穴を空けて
配線を上から出す改造をしました。

これで壁に取り付けるだけ、と思ったらまた問題が..
この細長い金属部品を先に壁に取り付け、その金具に器具を固定するという方法ですが、
金具が僅かに長くて器具の淵に当たり器具内に収まりません。
器具を留めるボルトの頭の高さが器具の淵の段差よりも高いので、
このまま取り付けると壁面と器具の取り付け面に僅かに隙間ができる事が判明。
ワッシャーを取ればギリギリ収まりそうでしたが穴径とボルトの頭の大きさから見て
ちょっと不安なので、金具の両端を削って器具内へ収める事に。
ここまで加工が必要だと、なんだか段々と楽しくなってきます。

という訳で、完成です。
今までの無機質な細い蛍光灯より趣があります。
monte accordion内の超短いストリートの出来上がり。
ここを今日から「Via Monte Fisarmonica」と呼ぶ事にします。
通り表示の看板を作らなければ..

不具合色々2011/09/05

プロ奏者の方から調律を承りました。
調律を行う過程でリード周辺の色々な不具合が見つかりました。
リードを固定しているロウが割れています。
ロウの付け方が綺麗ではないので以前に修理した時の仕上げに原因があると思います。
古い楽器でロウが劣化して割れたり、衝撃でロウが割れた時はこのような広い隙間は
できず、細いヒビが入るだけですので。

サブタ皮を押えているバネの取り付けが酷くズレています。
内側のサブタなので飛び出したバネの先端が木枠の内側に触れそうです。
これは製造時からのものでしょう。

これはリードの木枠からリードを外したところですが、驚く事が..
この箇所だけ調律中に音程が定まらないのでおかしいと思い、リードを外してみました。
すると、木枠の対向するリードを隔てている壁に穴が空いている事が分かりました。

対向する反対のリードも外してみると光が抜けて穴が空いているのが分かります。
どうしてこんな事になっているのか不思議ですが、
反対側のリードを付けているロウの仕上げが綺麗では無かったので
何かの為に意図的に行われた可能性もあります。
恐らく製造後、日本で行われた処置でしょう。
Lリードの最低音の部分なので、大きく振れるリードが木枠の壁に当たる為、
壁を削って行ったら反対側まで突き抜けてしまったという事かも知れません。
壁の反対側はそちらのリードの為に深く彫ってあるので、知らずに反対から削ると
ちょっとの事でも貫通します。
後で削った所は深く彫っていない面ですし、そちらの方のロウに剥がした跡がある事から
そんな気がします。

サブタ皮の接着剤が隣のリードの可動部分にまで達しています。
これではリードの動きが悪くなりますし、調律も不安定です。
これは製造時からのものでしょう。
後に行ったと思われる調律の痕は酷いものです。

稀にTVでも見る事があるほどのプロ奏者の楽器ですが、
製造時のエラーは仕方ないとしても、日本で行われた処置については
業者がやったとは思えないような部分も見られました。

駐車場情報2011/09/13

monte accordionの近くにあった古いビルが壊され、
空いたところにコインパーキングができました。
今まで一番近かったコインパーキングの次に近い場所です。
一番近い所は6台しかスペースが無いのですが新しいところは20台位はあるでしょうか。
いずれにしても、この場所で満車になる事はまずありません。

新しい駐車場の場所は、地図中の黄色く塗ってあるところです。
モンテアコーディオンは赤い長方形のところです。
店からの距離は約150メートルです。
今まで一番近かったところが100メートルなので大差ありません。
その他の近くの駐車場は地図中の黄色で囲んである所です。

駐車場についてはこちらでも確認できます。
http://www.ne.jp/asahi/monte/accordion/monte_map1.htm

台風接近2011/09/20

台風15号が接近中です。
まだ名古屋からはかなり遠いのですが朝から強い雨が降っています。
こんな日にはお客さんも来ないし、パソコンでニュースを見てのんびりしていました。
ニュースで見ると、名古屋市内でも非難勧告が出ている場所があるらしく、
かなりの被害が出ているところも映像で流れました。
幸い、モンテアコーディオンの付近は水が道路上に出る様な事はありません。
ここを借りる時に東海豪雨の時も大丈夫だったと伺いましたが水害には強そうです。
テレビで被害映像が出たので心配した遠方の方から連絡をもらったりもしました。

22時前の金山駅です。
台風は明日通過予定ですが、東海道本線、中央線とも、表示が消えています。
という訳で、今日は店に泊りです。
まあ、無理に帰っても明日、出勤できなくなるだけですので。

クラビエッタ2011/09/21

クラビエッタ(Clavietta)という鍵盤ハーモニカの様な楽器の修理を承りました。
アコーディナの販売と修理を行っているという事で私の所へやってきました。

見た目、鍵盤ハーモニカそのものですが、余分を削ぎ落としたボディーは
殆ど、鍵盤しかない楽器の様に見えます。
この楽器はイタリア製で既に生産はされておらず貴重品となっているようです。

早速、分解を始めましたが興味深い事に気付きました。
この吹き口、どこかで見た事がある..
そう、これはBORELのアコーディナの吹き口とそっくりです。
以前にBORELの修理をした時の写真は下記で見られます。
http://accordion.asablo.jp/blog/2010/09/16/5426509

前の記事には樹脂のキャップが登場していませんが、
現物にはクラビエッタと同じ様な物が付いていました。
因みに、吹き口にテープを巻いているのは、私が吹いて点検、調整をする為です。
お客様の物ですので。

ケースの底が2重底になっているのもBORELアコーディナと同じです。
ドレンバルブも位置は違いますが、形はソックリ。

鍵盤から繋がるバルブもBORELの物とソックリです。
ソックリというか同じと言えるでしょう。
以前に修理した記事でも、この部分の写真が見られます。
http://accordion.asablo.jp/blog/2010/09/15/5423548

このクラビエッタもかなり古いので、パッキンシールが傷んでおり、
空気漏れがかなりありました。

リードも細いプレートにステンレス製でアコーディナと同じ物です。
取り付け方法はネジと接着剤の両方を使っています。
これもBORELアコーディナと同じ。ネジと接着剤の材質は違うようです。

クラビエッタのケースにはMADE IN ITALY と書いてあります。
BORELのアコーディナはフランスで売っていた筈ですが、
生産はイタリアだったのかも知れません。
現在販売しているBORELを原型とした復刻アコーディナはフランスで作成されています。
リードはイタリア製だと思います。