色々出てきます2011/10/15

鍵盤を押していないのに音が出たままという症状で修理を承りました。
楽器は中国製のノーブランドの物です。

音が出たままの原因は簡単でした。
木の削り屑がバルブに挟まっています。
除去して修理完了ですが、他の問題が幾つも見つかりました。

鍵盤側のリードですが、リードバルブが反っています。
弱く弾くと特有の雑音が出ます。
また調律にも影響が出ます。

ベース側のリードバルブもご覧の通りです。
押さえの金属製バネも効いていません。
中国製の一部の物にありますが、バネが単なる銅みたいな感じで、
バネ性が殆どなく、簡単に曲がってしまいます。

同じく、リードバルブの押さえバネです。
バネ性が無いので有り得ない変形をしています。

リードを留めているロウにも異常がありました。
リードとロウの間に隙間が生じています。
このままでは空気漏れをしたり、音に異常が出ます。

ベースリードの木枠の固定部分ですが、押さえが足らず本体との間に隙間があります。
一般的に、間には皮が貼ってありますが、この楽器はフェルトです。
ここの固定ができていないと空気漏れを生じますし、リードの振動を本体に
きちんと伝えられないので音が悪くなります。

最後は、足の破損。

調律を含め、同等品の新品が購入できるのに近い費用がかかりますが、
修理を行う事になりました。
この楽器の場合は元の製品に問題がある事による不良が多いです。
当店でも中国製、イタリア製に関わらず、販売前に手直しする事が殆どです。
アコーディオンは複雑な構造の楽器ですので、そういう物です。
自動車や家電品とは違うのです。