鍵盤アコーディナ2012/12/02

ボタン式の鍵盤ハーモニカがフランスで製造販売されています。
アコーディナ(アコルディーナ)という名前で通っていますが、
今日は、その鍵盤式と呼べるクラビエッタという楽器の修理が来ました。
最初にアコーディナが製品化されフランスで売られたBORELのアコーディナは
このクラビエッタと同じ会社で作られていました。



イタリア製で既に作られていないので新品は手に入りません。
この楽器は大変保存状態が良く、外観はかなり綺麗です。
鍵盤に吹き口が付いた様な、無駄が一切無いコンパクトなデザインですね。



裏側は金属部分に多少の傷がありますが、
赤い革製のストラップは信じられない程に綺麗です。
ここだけ新品に交換したかの様です。



外観は素晴らしいですが、やはり劣化する部分はあります。
気密を保つパッキンは劣化してボロボロです。
バルブの構造などはBORELのアコーディナや、
それの復刻であるMarcel Dreuxのアコーディナにそっくりです。



幾つか音が出ない箇所がありました。
全ての音がきちんと出る様に調整し、部分的な調律を行い修理完了しました。
「きちんと」がポイントです。
ただ鳴れば良いわけではありませんので。

パッキンを交換したので気密が非常に良くなりました。
気密が悪いアコーディナはボタンを押さずに息が吹き込めますので
演奏に無駄な空気を消費しますし、息使いがダイレクトに反映しません。
これはアコーディオンでも同じです。



楽器を返送しようとしましたが、ケースが壊れている事が判り
こちらも修理して全て完了となりました。