変形2014/05/16

特定の鍵盤を弾くとカチカチと異音が出るという修理を承りました。

スイッチが妙に低く沈んでいます。
見るからに怪しい感じ..


グリルカバーを外すとご覧の通り。
スイッチが付いている台が変形しています。


鍵盤の異音の原因はこれでした。
鍵盤を押すとバルブが持ち上がって空気が通るしくみですが、
バルブに繋がるアルミニウムのアームの上端が変形したスイッチの台の
下部に接触しています。


スイッチの機構を取り外すと取り付けられている台座も
変形している事が分かりました。


変形を修正して元通りに組み立てると、スイッチはきちんとグリルカバーの
穴から飛び出してくれました。
鍵盤との干渉も無くなり問題解決です。

ソフトケースを用いている場合、グリルカバーの部分は思わぬ力を
受ける機会がよくあります。
ボディーは丈夫ですが、この部分は弱いので変形する事があります。
他人に楽器の運搬を手伝ってもらう時などは要注意です。

ネジ干渉2014/05/16

先日、ベースボタンの曲がりの事を書きました。
http://accordion.asablo.jp/blog/2014/05/15/7459796


この楽器は調律を承っているものですが、
今日は同じ楽器の小さな不具合を発見しました。

アコーディオンの蛇腹を取り外した右手側の内部ですが、
リードが取り付けられている木枠を固定している部分が
3列分見えています。
真ん中の固定金具が少し傾いているのが分かるでしょうか?
これが異常のある箇所です。


固定金具を取り外すと、左側にあるボディの内面から
ちょっとだけ何かが突き出ています。
これが固定金具に当って金具を傾けたという事です。


突き出していた物の正体は、蛇腹留めを固定しているネジでした。
3本あるネジの一本がボディーの薄いところを貫通して先端が飛び出し、
その部分にあった木枠固定金具を押していました。
恐らく、楽器を全て組み立てた後に、最後に蛇腹留めを取り付けているので
内部の状況まで気付かずに..という事でしょう。

ネジの先がちょっと押しただけで大した事では無さそうに思いますが、
このリードの木枠固定部分は大変重要な部分で、
少し状態が変化しても調律に影響を与えます。
調律に入る前にこういった細かい不具合を除去しておかないと
折角の調律も無駄になってしまう事もあります。