アコーディナのリード交換2014/05/20

アコーディナのリード交換を行いました。
アコーディナ(Accordina)は、フランスで手作りされている希少な楽器で、
アコルディーナとも呼ばれています。
ボタン式の鍵盤ハーモニカの様な楽器ですが、日本の教育楽器としての物とは違い、
楽器としてのクオリティーが高い物となっています。
詳細は過去の記事をご覧ください。
http://accordion.asablo.jp/blog/2009/12/07/4756778


本体のパネルを外すと、直下にリードが並んでいます。
アコーディナの特徴ある鋭い音は、アコーディオンや鍵盤ハーモニカなどと違い、
リードが楽器の表面に露出する位置にある構造が作り出しています。


アコーディナは専用のリードが使われています。
アコーディオンのように逆向きは必要ありませんし、
できるだけコンパクトであると同時に、錆に強くする為、
ステンレス製のリードが使われます。

このアコーディナは当店で販売しているメーカーの物と同じですが、
少し以前のものなので、リードはネジとロウの両方で留めています。
現在の物はネジは使われていません。
写真の中央のリードが鳴らなくなっている箇所です。


リードを取り外しました。
左は新しい部品で、右は付いていたリードです。
見ての通り、折れています。
折れたリードは交換するしかありません。

この楽器はプロの奏者から修理のご依頼を頂いたものです。
ステンレスリードは錆に強いですが、スチールより脆い特性があり、
時に折れる事もあります。
プロの方が使って数年に1回という頻度です。
専用の特殊な部品ですし、アコーディナはプロの方の使用率が高い楽器ですので、
いつでも修理対応できるようにしています。
リードは単に交換するだけでは使えません。
調整と調律も併せて行います。