バンドネオンの修復52021/04/11

バンドネオンの修復を行っています。


リードプレートに空けられたリードが収まる穴の壁面と
とリードの周囲が、リードプレートの酸化層と接触して音が出ない事が分かり
その為にリード穴の内側を削っています。
12枚あるリードプレートの2、3枚が一日で完了できる限界です。
今日も一日、この作業を行いました。


バンドネオンの修復62021/04/14

バンドネオンの修復を行っています。


今日もリードプレートのリード穴内面の酸化物除去を行っています。
とても時間の掛かる作業ですがようやく終わりが見えてきました。


右手側のリードプレート6枚を完了し、右手側の小さなリードプレートを研磨するために
取り外すと、木の板に開けられたバルブ穴の側面に亀裂がある事に気づきました。


2枚ある方のもう片方も同じような亀裂を確認しました。
これは隣のリードに空気が漏れる可能性があるので埋める修理を行いました。


ようやくリードプレートの研磨が完了し、全てのリードがきちんと振動する事を
確認できたので、リードバルブを貼り付ける作業を行いました。
リードのサイズに合わせてバルブの厚さや長さを選択し、
切断調整して貼り付けるので手間のかかる作業となります。


右手側のリードの修復が完了しました。
ここまでかなりの時間を使う事になりました。
そして、同じ作業を左手側も行う必要があります。
まだ先は長そうです。

点火系交換2021/04/15

今日は木曜で定休日。
今年に入ってから少しずつ、25年以上所有しているバイクの整備をしています。


今日は点火系の交換です。
これは社外品のイグニッションコイル。
R100系は世界に愛好家が多いので純正が無くなっても
代わりのパーツがある場合が多くて安心です。


元々付いていたコイルを外しました。(上)
新しいコイルに付属のステーを取り付けました。
見た目の大きさはあまり変わりませんが重さがかなり違います。
純正はコイル自体も金属鉄心が大きくて重そうですが、無意味に大きな
スチール製のステーがより重くしています。
新しく用意した物はコイルも軽いですがステーもアルミニウムでシンプルな形状なので
全体としてかなり軽量です。


コイルからプラグコードを抜くと片方は水漏れで内部が腐食していました。
これでも普通に走行できていましたが、燃費やパワーに影響していたかも知れません。


外したコイルとプラグコード(左)と、新しいコイルとプラグコード(右)です。
実は外した古いコイルは以前に一度交換しています。

20年以上前ですがソロで和歌山県にツーリングに出かけ、高速道路を降りた頃に
アイドリングが不調になり、エンストを繰り返すようになり、
ついにエンジンが掛からなくなってしまいました。
できればその場で直してツーリングを続けたかったのでBMWのディーラーを探して
電話をしたのですが、そっけない反応でバイクを見るつもりもないという感じでした。
仕方なくレッドバロングループの和歌山店を探して電話をするとすぐに
トラックで来てくれて店まで運んで点検をしてもらえました。勿論無料です。
診断も早くイグニッションコイルが壊れているという事がすぐに分かりました。
とても迅速で丁寧な対応だった事を今も記憶しています。
交換部品がないのでその日は一泊して翌日電車で帰り、後日引取りに行きました。
交換した部品は対策品という事で元々問題が出る部品だったようです。

この出来事は今の自分にとても影響を与えています。
どこで買ったアコーディオンでも修理を引き受けるという体制です。
他店やオークション購入の楽器は修理しません、なんて事は言いません。
(オークションで転売する目的の楽器は受け付けていません)
あのディーラーのような店にはなりたくありませんので。
名古屋市内の当時の正規ディーラーもそんな感じの対応でしたが、
今は名古屋のディーラーも和歌山のディーラーもありません。
やはり行いが悪いと経営が続かないのでは?と思ってしまいます。
修理や調律など時間が掛かって利益も薄い事を積極的に受け付けていない、
ただ売るだけのような店はダメな店です。この判断基準は間違いないです。
ちなみに、今の名古屋のディーラーのDATZさんはとても良いディーラーです。
念のため..


新しいコイルをバイクに取り付けました。
メーカー名が入っている面ではなくて裏面の電気抵抗が貼ってある方が表になりました。
どのみちタンクを付けると見えなくなるので関係ありませんが。


プラグコードも取り付けました。
これは国産の物です。
プラグは既に交換済みなのでそのままです。


他にも電装系部品を2つ準備しました。
やはり社外品ですが、点火を制御しているコントローラーという謎の部品と、
発電した電圧を保つレギュレーターです。


これは車体に元々付いているイグニッションコントローラー(上の黒い部品)と、
ボルテージレギュレーター(赤い部品)です。
どちらの部品も壊れると走行不能になります。
特にイグニッションコントローラーは古くなると突然死する事があるらしいので
交換しておくと安心です。


古い部品を取り外しました。(右側)
大きさや外観はあまり変わりません。


新しい部品に交換しました。
これでセルモーター、イグニッションコイル、イグニッションコントローラー、
プラグコード、ボルテージレギュレーター、ヘッドライトバルブ(LED)の交換が
完了し、電装系の整備は終わりにするつもりです。
他にも色々ありますが全部やるわけにも行きませんので。


タンクを外していてガソリンがないのでエンジンが掛けられませんが、
やっぱり動かしてみたいので車から少しガソリンを抜き取って
キャブの手前のホースまで満たしてエンジンを掛けてみました。
一発始動はしませんでしたが、これは多分ハイオクを使った為と思います。
このバイクはレギュラー仕様に調整されていますので。

セルモーターはかなり元気になりました。
暖機が終了するほど長くは掛けていませんが、エンジンは安定して回っていて、
発電電圧も14.3Vをキープしていますので問題なさそうです。
早く実際に走行してみたいところですが..
今日はここまで。

バンドネオンの修復72021/04/16

バンドネオンの修復を行っています。
前回までに右側のリードについての修復が完了しました。


右側の修復が完了しましたので、今日からは左側です。
ご覧の通り、何もしていないので酷い状態です。
今日からまた地道な作業が始まります。


革製のリードバルブは経年劣化で反りが出ていて全て交換します。
バルブを外すとリードの錆も見えてきます。


リードプレートを外すと裏面にも表と同じ数だけバルブとリードがあるのが分かります。
木枠の内側に鉛筆書きのサインがありますね。
作製した人か調律をした人のものと思います。


内側もリードバルブを取るとリードの錆が沢山見えてきます。


左側のリードバルブ全てを取り外しました。


リードバルブを取り外した状態のリードプレートです。


まずはリードバルブを留めていた古い接着剤の除去です。
その後、リードの錆除去、リードプレート表面の酸化物除去を行います。


リードの錆除去とリードプレートの酸化物除去を行い片面終了。
書いたら一行ですが、ここまでするだけでも時間がかなり掛かります。


同じリードプレートの裏面です。
リードバルブを剥がした以外は何もしていません。
表側と同様に古い接着剤の除去、リードの錆除去、リードプレートの研磨を行います。


裏面も完了しました。
これで1枚のリードプレートが完了ですが、まだ大変な作業が待っています。


右手側と同様、リードを押し込むと戻ってきません。
リードの下にある穴の側面に亜鉛の酸化物が出ている為です。
このままではリードが鳴ることはありません。
穴の内面を手作業で一つずつ研磨してリードがきちんと鳴るようにして行きます。
最後はリードが鳴る事を確認しながらの仕上げ研磨を行って行きます。
リードの数だけ行うのでリードプレート1枚行うだけでも大変な時間が掛かります。
そして左側にもリードプレートは6枚内蔵されています。
今日は6枚のプレートのリードの錆除去と表面の研磨だけで終わりました。
明日からは穴の内面研磨です。

バンドネオンの修復82021/04/17

バンドネオンの修復を行っています。
右手側が完了し、左手側の修理に入りました。


左手側のリードです。
リードプレート6枚分のリードの錆除去、リードプレート表面の研磨が完了しました。


ですが、右手側と同様、リードが収まる穴の内面の酸化物を除去しなければ
リードが自由に動いて音が鳴ることはありません。
今日からこの作業に入りますが一つずつ手作業で行い、
音を鳴らしてみての確認も必要になるのでとても時間が掛かります。
まずは片面側から。


片面分が終わったら反対面側を行います。


両面分、20箇所の穴の内面研磨が終わりました。
これで1枚のリードプレートの修理が完了です。


今日は頑張って3枚分を終わらせました。
時間的にもこれが限界ですが、手も限界です。
残り3枚!