修理しない日本製 ― 2021/08/06
古い日本製アコーディオンが持ち込まれました。
現在、丁度、同じ年代、同じメーカーの物を修理しています。
右手側のリードです。
同じ年代の同じメーカーだけあって状態は同じです。
リードバルブとリードバルブの上にある樹脂部品に反りが出ています。
この状態ではきちんとした音は出ません。
ベースリードの方ですがこちらも同様です。
ベースリードの方に楽器の製造年月日がありました。
昭和45年7月11日なので51年前の楽器です。
今、お預かりしている楽器も同じ位の年代で修理を継続中です。
この楽器は見積りを行いましたが修理はしないことになりました。
その違いは何でしょう?
まず、この楽器はオークションで購入した物です。
修理中の楽器は身内の方が購入して持っていた物です。
楽器自体に何の思い入れもない場合、費用をかけて修理はしないでしょう。
もう一つ、決定的な違いがあります。
修理中の楽器は34鍵盤、MML、80ベースですが、
この楽器は30鍵盤、MM、18ベースです。
ベースが18ではできる事が少な過ぎて修理費用をかける意味がありません。
この楽器の音は全くダメな状態ですが全ての鍵盤で音が出ます。
なのでオークションでは動作確認済み、という事になります。
50年も前のアコーディオンは楽器として使うなら必ず整備が必要で、
その為の費用は新品の中国製が購入できる程です。
整備済みなど書いてある場合もありますが、オークションで売り払う楽器に
費用をかけて整備などする筈がありません。
たとえ安くても使えない物に費用をかけるのはお金を捨てるようなものです。
アコーディオンをやってみようと思う方は、中古、新品共にきちんと整備された
状態の楽器を購入するのはどうしても必要なことになります。
ピクトグラム ― 2021/08/06
オリンピックもあと3日で終わりですが、開会式でピクトグラムが話題になりました。
当店では開業時から店内に幾つかのピクトグラムを使っています。
あまり目立たないので、ご来店いただいた方で気付いていない人もいると思います。
店内のレッスン室の間にある短い通路ですが、トイレ、清算、工房への表示と
その下にニュース、インフォメーションの表示がしてあります。
こちらはレッスン室のドアのところ。
注意喚起が目的なのでそれなりに目立つようにしています。
文字の羅列よりはわかりやすいと思います。
レッスン室の中の時計の下にある表示です。
まあ、言われなくてもという内容ですが..
開業時、店内でピクトグラムを用いるアイディアはすぐに思いつきました。
ピクトグラムという言葉を知ったのもその時です。
言葉で表示すると場所も取りますし煩雑になるのでどうしようかと考えた結果です。
子供さんや外国人の方が来る可能性も考えました。
ピクトグラムをきちんと意識したのは28歳の時に初めて行った海外旅行です。
一人で飛行機の予約のみでイタリアへ行くという無謀な旅行でしたが、
言葉も殆どできない時、空港や駅の表示でピクトグラムがあり、とても助けられました。
場所も取らないし言葉は必要なく、しかもスタイリッシュで、とても良いものと思いました。
以来、頭の片隅にこの事が残っており、開業時に活かせました。
自分で設置したもの以外にもありました。
非常口の表示です。
よく考えるとアコーディオンのリードセットの表示もピクトグラムと言えそうです。
これは店内にあるデロンギのコーヒーメーカー。
操作部に文字は全くありません。
同じく店にあるダイソンの掃除機のトップ部分です。
フィルターのメンテナンスがピクトグラムになっています。
FILTERがいくつもの言語で書いてあるのも面白いですね。
こちらはトイレにある温水便座の操作部です。
メーカーはパナソニック。
ごく一部だけピクトグラムで殆どは文字です。
点字の表示があるのは凄いです。
エアコンの操作部です。 メーカーはダイキン。
これは全て文字表示です。
他にも店内の物を確認してみましたが、
国産や国産ブランドの家電品は輸出を考えていないのか殆ど文字表示です。
デロンギやダイソンのように海外の物はさすがです。
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