ダブルつづき2014/10/26

中古で販売する為の楽器を整備しています。
イタリアの有名ブランドの最上位機種です。


先日もリードバルブが2枚重なっているという事を書きましたが..

また発見しました。
リードバルブの上に貼ってある金属のバネですが、2枚重なっています。



上の一枚を剥がしてみると、下にもう一つ残ります。
他の箇所は問題なく、この部分だけでした。
この部品は後に修理された部分ではありませんので、製造時からの不具合です。
有名ブランドのイタリア製で、輸入代理店での検品を経て販売された物でしょう。

このような不具合は今までにもBlogで記事にした事があり、
ちょっと珍しいこと、という感じでしたが、頻度としては案外多いと思います。
この6年間に修理や調律、新品の整備を行った楽器の台数はそれなりにありますが、
個人経営の仕事ですので総量としてそんなに多くありません。
ですが、偶にこの症状に遭遇しました。
2枚重なっている、という症状だけで時々ある訳ですので、その他の不具合を
合わせると、アコーディオンが製造時から持っている不具合というのは
かなりの頻度で存在するという事です。
このことから、けして不安を煽る為に大げさに色々な不具合を紹介している訳ではなく、
実際にかなりの不具合があるという事がお分かりいただけるかと思います。

こういったちょっとした不具合や調整不良はメーカーによる差はないと思います。
実際に統計を取っている訳ではありませんが、イタリア製でも有名メーカーでも
ある確率で存在します。
勿論、当店で扱っているメーカーでも同じように発生しています。
但し、低価格な楽器では不具合の率が高くなります。
恐らく、調整に多くの時間をかけていないからでしょう。
或いは、低価格な物はそれなりの品質という基準で作っているからかも知れません。

アコーディオンは部品点数が非常に多い楽器ですので、
組み立て時から存在する不具合の発生率は高くなります。
部品が多く機構が複雑な物ですので、製造後に起きる不具合も他の楽器に比較して
多くなるというのも仕方のない部分です。
それ故に、楽器がきちんと点検され、整備されている事や、
購入後のアフターサービスが大変重要になってきます。