バンドネオン調律完了2022/01/10

昨年末にお預かりしたバンドネオンの調律が完了しました。




調律後、実際に鳴らして最終チェックを行うと、1つのボタンで異常が見つかりました。
矢印部分のボタンを少し強めに押すと別の音が重なるという症状です。
この場合、ボタン機構の干渉かバルブより後の部分での空気漏れが
原因と予想されます。



取り敢えずカバーを外した状態でボタンを押して観察する事に。
するとボタンの機構で干渉が見つかりました。
ボタンを押すとボタンの下の端(赤矢印)の所で黄色矢印のボタンから
延長されている木製アームの端がぶつかっていました。
ボタンを強めに押すとボタンの下の部分でアームの端を押していたのです。
原因が分かれば修理は簡単ですが原因がすぐに分からない事も多いです。
楽器の修理は修理時間だけで費用換算されると厳しいものがあります。



幾つかの不具合の修理と調律を完了し後は発送するだけです。
ところでこのバンドネオンですが、見た目は普通ですが実はクロマチック配列です。
ボタン式アコーディオンが演奏できる場合、少し曲を弾く事ができます。
通常バンドネオンの最終チェックは単純に音を鳴らして行くだけですが、
この楽器では簡単な曲を弾くこともできます。

アコーディオンの最終チェックでは必ず曲を演奏するようにしています。
バンドネオンでも少し弾けるというのはちょっと嬉しい体験です。
こういう物がもっと普及しても良さそうなのですが実際のところどうなんでしょうか?