自分の楽器22009/03/15

やっとイタリアから送られてきた自分の楽器を、厳重な梱包からやっと取り出して、ベルトを付けました。イタリアで途中まで作っていた時は、マスキングテープでミイラ状態だったのでボディーを直接見る事はできませんでしたが、やっとのご対面です。中身はしっかり見て来たんですけどね..

以前使っていた楽器よりも少し小振りで、インターナショナルタイプですが軽快な印象です。蛇腹の中はもちろん、ロッソ イタリアーノ! 前から蛇腹の中が赤い楽器が欲しかったので夢が実現しました。閉じた状態はシックなブラックで、蛇腹を開くと赤という訳です。まあ、そういうアコーディオンはよくあるので別に珍しくもないですが..

さて、肝心の音の方です。ちょっと弾いただけで以前の楽器よりもパワーがある事が分かります。音の立ち上がりも素早い。Hリードの高音部分でも非常に鳴りやすいです。軽く蛇腹を動かすだけですぐに鳴ります。さすが、シモーネ! リードの調整はやっぱり流石です。調律を含むリード部分の組み立て、調整を担当しているシモーネには、昨年の実習中にも厳しく調整、調律を教えて頂きました。リード関係の部分は、442Hzのリードの入荷が遅れたので、私は全くノータッチで帰国後に作られました。

音の続きですが.. 非チャンバーのHとMはかなり鋭い金属音がします。軽い蛇腹操作で鳴り始めますので、最初から鋭い音が発揮されます。釘でリードを留めているフレンチタイプのボタン式に似た感じですが、この楽器はロウでリードを留めています。さて、チャンバーのMとLはというと.. 非チャンバーの方とは対照的に、非常に丸い音が出ます。素晴らしい.. これ一台で、かなり傾向の違う音を表現できます。和音で押さえてゆっくり蛇腹を開いても、発音開始のばらつきが小さいです。以前の楽器は鳴りにくいリードが多く、これを修正するのが大変でしたが、この楽器は完全です。ベース側も、明らかに前の楽器よりパワーが出ます。演奏が大変気持ちよいです。後は、演奏の腕前を上げるだけか.....

書き忘れましたが、この楽器はCooperfisaのSuper Cesare 708という楽器です。Cooperfisaのボタン式の標準品の中では一番グレードの高い物です。仕様は標準的な46音、HMML、MLチャンバー、120ベースという物です。重さはカタログ値で11.4kgですが、実測は11.2kgでした。現在、日本に一台しかないこの楽器でCooperfisaの実力を皆さんにアピールして行きたいです。きちんと調整された楽器という物を。
その前にやっぱり、演奏能力が問題だ..