ボタン式のバルブ交換2011/01/24

ボタン式アコーディオンのバルブ交換を行っています。

音域が56音ありますので、鍵盤式よりもバルブ交換数が多くて大変です。
しかも、チャンバー付きの楽器ですのでバルブの数は倍の112個!
一つ一つ、調整しながら組み付けて行くのは本当に根気の要る作業です。
少しでも気を抜けば組み上がった時の空気漏れが多くなり、
また分解してやり直しにもなりかねません。

作業はバルブの交換だけでは終わりません。バルブを交換するとボタン(鍵盤)の
高さが不揃いになりますのでそれをフラットにしなければなりません。
この楽器は5段ボタンなのでボタンの数は92個。
単純にボタンを取り外して、再度、取り付けるだけでも大変です。
その上、位置を一つずつ調整していく必要があります。
ボタン式のアコーディオンが高価なのは珍しいからではなくて、製造上の
大変さから来るものです。リードの数も増えますし、その分、調律も増えますから。

このバルブ交換作業、製造後20年を越えた辺りから交換の必要性が出てきます。
ボタンや鍵盤の高さが不揃いになったり、鍵盤を離した後のパタパタ音が大きくなったり、
空気漏れが増えて来たら交換時期です。
時間がかかる為、修理費も多くかかりますが20~30年に一度の事です。
違う視点から考えると古い中古楽器はバルブ交換までの残存期間が短く、
安く入手しても後に費用が多くかかるという事です。
既に交換時期を迎えている中古であれば即、費用がかかる事になりますし、
そのまま使うには問題が多く、特に経験の少ない初心者は演奏習得の妨げに
なる場合もありますので、注意を要します。

ちなみに、このバルブ交換は左手のベース側も同じサイクルで交換寿命が来ます。
それと、一部の古い楽器ではバルブ部分の緩衝材がフェルトではなく、
スポンジ素材の物がありますが、これは更に寿命が短いので要注意です。
中古楽器を購入する場合は良く観察した方が良いでしょう。
フェルト素材のバルブでも虫害により穴が空いている場合は寿命によらず交換時期です。

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