大事ナット2012/11/30

部分的な発音の不具合の修理を承りました。



点検の為に楽器を開け、各部をチェックするとナットが無い箇所を発見しました。
これは背負いベルトを取り付ける金具のナットです。
大きな力がかかる重要な部分ですので、ここは定期的にチェックが必要です。
ナットが片方緩んでいたり、外れたりしていると、最悪の場合、
ベルトの金具が金属疲労で破断します。
定期的な調律を行う事で、こういった不具合も発見できます。



幸い、外れたナットは楽器の内部から出てきました。
楽器が古い物ですので、サブタ皮はそれなりに反っています。
これは全て修正しました。



付いていた胸当てが寿命を迎えていました。
左は新品で右は付いていたものです。
厚さが全然違います。
中身はどこへ行ったのでしょうか?



中に入っていたウレタンは消えた訳ではありません。
劣化して粉々になって重力で下部に集まっています。
なので、この写真の様に部分的に厚いところができます。
中を開けたら粉状の劣化したスポンジが出てくるでしょう。
このようになる前に交換した方が快適に楽器を使う事ができます。