破壊ビンテージ2014/07/08

プロのキーボード奏者の方から古いアコーディオンの修理を承りました。


RAVENNA と書かれていますが、メーカー名なのか、モデル名なのか、
作られた場所なのか分かりません。
形からすると70年以上前の物のように見えます。


修理の内容ですが、落下による楽器の破壊の修復です。
ご覧のように、ベース部分の角の所が大きく割れています。
空気漏れも激しく起きていますので深くまで破壊している事が想像できます。


破壊の影響でベースボタンは全て落ちています。

ベースメカニックですが、かなりダメージがありそうです。
恐らく、ボタンの支柱も変形しているでしょう。
古い楽器の為、メカニックが現在の物と違う構造です。
以前に修理したバヤンに似ていますが経験の無いメカニックで
ここまでやられていると復帰は困難が予想されます。


内側から見ても割れの程度はかなりある事が分かります。


ベース側の大きく割れている方と対角にある蛇腹との勘合部ですが、
圧縮による歪みと破壊があります。
大きく割れている方より直すのは難しそうです。


一見、問題が無さそうな右手側のボディーですが、内側から見ると
影響は出ています。


取り敢えず、ベースボタンが並んでいるところのパネルを外してみました。
落下の衝撃でネジが曲がっています。


ボタン側のパネルを外すとサイド部分のパネルが取れてしまいました。
これはかなり大変な修復になりそうです。


ベースのリードですが、見た目は問題なさそうです。
古い楽器の割りにサブタ皮や押さえバネに反りが無いので
過去に修復を受けているのでしょう。


右のリードもダメージは無さそうです。
やはり、バルブやバネは交換されているようですが、
それなりに古いので、反りが出てきたら交換時期かも知れません。
右手側はリードを接着しているロウの劣化が少し気になります。


蛇腹のパッキンは交換時期ですね。
今は本体が割れていて気密が全くありませんので、
他に空気漏れの原因があってもそれを知る事ができません。
本体が直った時に色々と問題が新たになる可能性はあります。


鍵盤のバルブですが、本来ならバルブ材の交換時期です。
取り敢えず、全体の修理費用が大きくなるので、こちらは見送りです。
今の状態では離鍵時の音が大きく、鍵盤高さが不揃いでストロークも深いです。
バルブ材を交換すれば全て解決します。


美しいグリルカバーですが、多分オリジナルの布が古くなって剥がれかけています。
こういう部分も交換すると見違えるようになります。

さて、かなり修理が困難そうな楽器ですが、どこまで修復できるかちょっと不安です。
落下&超古いですので..


白青アコーディオン入荷2014/07/08

イタリアの老舗メーカー、Giustozzi から入荷がありました。
良い楽器を比較的低価格で作ってくれる良いメーカーです。


37鍵盤、96ベースの扱い易いサイズの白いアコーディオンです。
右はMMMLのミュゼット仕様で、ベースは5列リードです。



デザインに特徴があります。
控えめな装飾が入っていて、黒鍵部分、切り替えスイッチ部分が青になっています。
白鍵はパールタイプです。



蛇腹の中は青で、ベースの切り替えスイッチも青です。
ベースボタンのA♭、C、E に付いているラインストーンも青です。


蛇腹の中の青はグラデーションになっています。
なかなか芸が細かい。

蛇腹留め、胸当ても青。
勿論、背負いベルトも青。
白と青をテーマとした爽やかな色調の楽器です。
今までにもこれに良く似たデザインのGiustozzi を取り扱っていましたが、
ダブルチャンバーの96ベースで、それなりに高価でした。
今回の物は、デザインはそのままに、チャンバーを無しとする事で
低価格化と軽量化を図りました。
MMMLはHMMLにする事も可能です。