中古楽器の鍵盤不具合2015/06/27

古いイタリア製のアコーディオンの修理を承りました。
症状は鍵盤の作動不良です。
押せない箇所があったり、戻りが悪かったり、ガタツキがあったりという感じです。


鍵盤を全て取り外しました。
鍵盤を外すと鍵盤の軸の部分に、ある筈のない木の部品が挟まっていました。



挟まっていた木の部品は元々、土台側に付いている物が折れて
鍵盤側に付いてきたという事です。
そういう箇所は複数あり、根元から折れている所もあれば、
軸の通る穴の部分で割れている所もあります。
良く見ると、接着剤で補修されているところもあります。



接着補修されている部分で土台に残っている部品を少し押してみると簡単に傾きます。
接着剤の選定と施工方法に問題があります。
オーナー様は修理していないので補修された中古を手に入れたものと思われます。



鍵盤根元の軸周りではなくて、先の方の受けとなる側の木の部品も
取れている箇所があります。
こちらは接着されていませんので補修後に割れたのでしょう。
割れた部品が鍵盤の下に入ると鍵盤下部の空間が無くなりますので
鍵盤が押せなくなります。
押せなくなった所はこれが原因でしょう。
全体に土台となっている木が弱くなっている感じです。



土台の木部以外を見てみると他の補修も見られます。
黒鍵の下部に当たってストッパーとなる黒いフェルトの上に革が貼ってあります。



この補修ですが、深くなった黒鍵を見かけ上浅くする為のごまかし手法です。
先ほどの木の補修と同じ接着剤ですので、同じ人の手によるものでしょう。
革を貼って、ストッパーの高さを上げる事で鍵盤が深くなる前に止まります。
ですが、経年で深くなった鍵盤はこの部分が理由で深くなっている訳ではないので
根本的な原因は残っています。



同じ方法で白鍵の深さも見かけ上、浅くしてあります。
鍵盤の先の下部が当たるフェルトのストッパーの上に革が2枚、貼ってあります。
黒い部分が元々貼ってあるフェルトです。
これも根本原因は残っているので手抜き補修です。
鍵盤が深くなっている原因は鍵盤の先にある開閉するバルブのフェルトと革が
古くなって縮んでいるからです。
鍵盤は軸を中心にシーソーの様になっているので、一方のバルブ側のフェルトが
縮めば逆側の鍵盤の端は高くなります。
鍵盤側が高くなれば深さが増すので弾き難くなります。
なので簡易的にストッパーの高さを上げて見かけ上の深さを浅く戻している訳です。
この方法では鍵盤の押していない時の高さは変えられないので高いままです。
アコーディオンの鍵盤の一番低音と高音の脇にあるフレームより高い場合は
間違いなく、鍵盤が高くなっています。
本来、フレームより鍵盤は少し低くなければいけません。

縮んだフェルトや革のバルブでは、離した時の音が大きかったり、
空気漏れが起きている可能性があります。
本式の修理は、バルブ側のフェルトと革を交換する事です。
ですが、大変な作業になりますし、空気漏れを最小にしながら交換するには
技術が必要なので、何もしていないか、ごまかし補修で売られている
古いアコーディオンが出回っています。
きちんと修復された古い楽器は安くないので判断材料になるでしょう。


富士美レストラン2015/06/27

monte accordionから歩いて5分程度のところに古いレストランがあります。


富士美レストラン という名前のファミレスの様な感じの店です。
ここの存在は以前から知っていましたが、実際に行くようになったのは
2年ほど前からです。



昭和レトロ漂う店内です。
これは狙った訳ではなくて、ずっと前からそうだったものでしょう。
テーブル席以外にも座敷や2階には宴会場もあります。



テーブルにある備品も昭和の雰囲気です。



椅子は木彫りの装飾があって趣きがあります。



古いパッケージエアコンは今も現役で、格子の木組みの中に収まっています。



料理が運ばれてきました!
これはヒレカツ定食、980円です。
ここに来た時は、ヒレカツ定食かハンバーグ定食で、
お昼に来る時はナポリタンというのが私の定番。
どれも安くて美味しいです。



食器にはちゃんと店名が書かれています。
書体が良い雰囲気を出しています。



そんなお気に入りのレストランですが..
実は、今日が最後なんです。
55年もやっていたんですね..
長い歴史の中のほんの少しの時間でしたが、ここに来られて良かったです。



富士美レストラン、お疲れさまでした。
ここが無くなると淋しいです。