ベルチェッリへ2010/10/11

イタリア滞在も今日で終わりです。
今日は2年前に3ヶ月お世話になったアコーディオンメーカー、
Cooperfisa(コーペルフィサ)へ行きます。

ミラノ駅です。
初めての海外旅行で着いたのがミラノで、初めて利用した駅もここです。
構内に響くアナウンスを聴くと、その時の感じが蘇ります。
ここから電車で1時間でCooperfisaがあるベルチェッリへ行けます。

ベルチェッリの駅前です。
ロータリーの噴水に教会..懐かしい景色です。

駅から歩いて5分でCooperfisaへ着きます。
到着して仕事場へ行くと昨晩TVで見たロメオが演奏していました。
弾いて遊んでいる訳ではなくて、完成した楽器の検査をしているのです。
奥の調律室にはシモーネの後姿も見えます。

当時、私が作業していた机ではファブリツィオが作業をしていました。
皆さん、とても元気そうです。
仕事場が以前より綺麗な感じがします。
私が毎朝、掃除していた事が定着したのでしょうか。

ここでは楽器の製作以外に楽器の修理も行っています。
並んでいる楽器は修理の作業待ちの物です。
工房の机の配置は一般的なアコーディオン工場とは全く違います。
流れ作業ではなく、作業者1人が多くのパートを作成する作り方をするからです。
効率は悪いですが楽器としての仕上がりは大変良くなります。

お昼には皆で近くのレストランへ行きました。
イタリアは昼休みが2時間もあり、自宅へ帰って家族揃って食事をするのが
イタリア流です。この日は私の為に会食の時間を作ってくれました。

パスタはこの地域でよく食べられる、胡桃入りソースと、ジェノベーゼとは違う
バジル入りの2種類です。
一般的な物は既に食べているでしょうから..と、私の為にチョイスしてくれました。

その他、地元でしか味わえない様な料理を何種類も頂きました。

ファブリツィオとシモーネです。
シモーネは日本のアニメをイタリア語字幕で見ているらしく、
色々な日本語を覚えていました。
おかげで一般の辞書に載っていないような言葉について質問攻めに合いました。

午後は、顧客の所へ外出していた社長が戻って来たので、
仕事についての話を色々としました。
もちろん楽器も触らせてもらいました。

最近、アコーディオンメーカーでトレンドになっている木目外装の
アコーディオンも、全ての機種で対応できるようになったとの事です。
木の種類も色々と選べます。
元々、アコーディオンのボディーは木ですが、表面は耐久性があり、
傷の補修がしやすいセルロイドを貼ってあります。
木目の楽器というのは、そのセルロイドを貼らないで仕上げるという事ですが、
何故か必要以上に価格が跳ね上がっている感じがします。
外装に使う木は一般の物とは違うという理由だと思います。
Cooperfisaでは木目調の楽器を作成した場合のコスト高はむやみに高くありませんので、
そういう楽器をお探しの方は是非ご相談ください。

これがセルロイドを貼る前のボディーです。
見た通り、木でできています。
これに薄いセルロイドを貼るという事と、グリル部分がアルミニウムではなく木で
作るという以外に木目の楽器との差はありませんので、楽器の音としては
微妙な差にしかなりません。どちらかと言うと、リードが取り付けてある木の枠の方が
材質や作りによる音への影響は大きいと思います。
木目楽器は音よりも見た目の効果を狙った物と思った方が宜しいです。
最近はセルロイドではなく、塗装で仕上げた楽器もあります。

夕方になったのでCooperfisaを出て駅前まで来ました。
ミラノ泊ですが、少しベルチェッリを散策する事にしました。
駅前の巨大な教会です。
3ヶ月滞在していたセミナリオの窓からいつも見えていました。

ここは3ヶ月の間、神父さんと暮らしたセミナリオです。
平日はここで3食いただき、昼と夜は神父さん達と一緒に食事をしました。

セミナリオの隣にあるもう一つの教会です。
大きな釣鐘があり、いつもこの鐘の音を聴いて生活していました。
中に入ると丁度、ミサを行っていました。
暫く座ってミサに参加しましたが、セミナリオで一緒に食事をしていた神父さんもいました。
かなり高齢ですがお元気そうでした。

ベルッチェリの商店街がある通りです。
目的はもちろん、お気に入りのレストラン、ピエディグロッタです。

4種チーズのリゾット。
これが食べたかった!
2年越しです。
見た目シンプルですが、味は最高です。塩加減が絶妙。

ポルチーニ茸のスカロッピーネ。
豚肉の薄切り肉の料理ですが、肉が見えないほどポルチーニが載っています。
しかも、乾燥ではなく生です。素晴らしい風味!
毎週の様に通ったこの店でもっと色々と食べたいのですが、
昼に食べ過ぎたのと、まだ時間が早いのでこれだけで終わり..
後はまた次回の楽しみにします。
この後、電車で1時間かけてミラノへ戻りました。
明日は帰国です。