ビンテージの再生72012/03/28

70年以上前のアコーディオンの修復をしています。
前回の記事はこちら。
http://accordion.asablo.jp/blog/2012/03/27/6467350

鍵盤側、ベース側の全てのバルブ交換が修了し、
それに関連する修復が終わりましたので、残すは発音部分の修復です。

この楽器はMMMLの4セットリードです。
スイッチ切り替えはMMMとMMMLの2種類のみで、写真はその切り替えです。
最近の楽器だと手の平で押えるパームスイッチの位置に、
上下に動く金属製のスライドがあります。
本来、ボディーに並行になっていますが、引っ掛けたのでしょうか、
曲がっていますので、まずはこれを修正しました。


リードを取り出したところです。
ご覧の通り、サブタ皮は殆ど全て、反っています。
硬化も進んでいるので全数、交換します。


何故かこの2枚のリードは違う物が入っています。
しかも、この2枚は、MMMの全てでこの様になっています。
これは謎です。
リードプレートはアルミニウムではなくてバンドネオンの様な亜鉛合金です。
また、リード周囲のロウの上に、透明な粘度の高い何かで補修してあります。
これも謎ですね..

全てのサブタ皮を外しました。
見た目は結構、綺麗です。


リードに錆が出ています。
幸い、全体の1割程度の数に収まっていました。


調律でミスしたのか、リードの異常な変形がありました。


ロウ付けの問題が結構ありました。
これはリードプレートの境界に隙間があります。


これはロウ付けの施工不良です。
製造時(前回修復時?)からでしょう。


これも施工不良です。
細い隙間がロウの上に見えますが、中は空洞です。


これも施工時の不良です。
ロウがきちんと流れておらず、木枠とリードプレートの隙間が見えます。
こういったリードにまつわる様々な不良を一つずつ修正して行きます。

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