2種混合、リードの錆。2014/08/20

古い小さなアコーディオンの修理をしています。
http://accordion.asablo.jp/blog/2014/08/09/7555230
その楽器の鳴らない音があるのでリードを点検しました。


鳴らない箇所のリードです。
樹脂製のサブタ(リードバルブ)を外すと錆がありました。



リードを外した木枠側ですが、ロウ接着の施工で失敗し、
溶けたロウが木枠の中に少し入っています。
問題になる程では無さそうです。
木枠の内側の中心付近には線状に凸になった加工不良もあります。
これはサブタが引っ掛かる原因になる可能性があります。


リードを木枠から取り外して、錆が出ている裏側を表に出してみました。
リードの材料である鉄の合金では赤い錆が出ていて、アルミニウム合金の
フレームには白い錆が出ています。
鉄の酸化物や水酸化物は褐色で、アルミニウムの場合は白色なので
こんな風になっています。


リードの先端をピンセットで押してみましたが、錆が強固で
錆を支点としてリードがたわんでいます。
通常はリベット留めの根元を支点として、全体がフレームの下に入ります。

2種類の金属錆がブリッジしている状態ですが、細かい水滴が入ったのか、
寒暖で内部が結露して異種金属接触腐食を起こしたのかも知れません。
異種金属間に水が付くと電池の状態になり腐食が進みます。

いずれにしても、これは綺麗に取り去って自由に動けるようにする必要があります。
大きく調律がずれますので調律も必須となります。