ボタン式のバルブ交換2015/01/07

プロ奏者の方からボタン式アコーディオンのバルブ交換を承りました。
昨年、依頼を頂きましたが短期の修理などを優先していた為、
年をまたいでしまいました。



右手55音、MMLLのダブルチャンバーですので、
フレンチタイプのフルスペック品です。
一般的に言ってそんなに古い楽器ではありませんが、
ボタンを離した時に出るバルブが閉じる音が大きくなっている為、
交換する必要が生じました。
プロ奏者の方はレコーディングがある為、ノイズに対する要求が
厳しいのです。
強い音から極弱い音まで使い分けますので、音を出していれば
ノイズは目立ちません..という訳には行かないのです。



と言う訳で、まずはボタンの取り外しです。


右手の全てのボタンを外しました。
全部で92個です。



ボタンを全て外すと、ようやく、その下にあるパネルが取り外せます。
ボタン式は裏面にも外せる蓋がある為、両方外すとこんな風に、
ボタン越しに反対側が見えるようになります。



分解したついでに内部に溜まった埃を取り除きます。



軸を抜いてバルブの付いたボタンの根元とアーム一体になった部品を
順番に外して行きます。
チャンバーのある楽器ですので、一つの部品が二股に別れ、
バルブが2つ付いています。



全てのバルブを外しました。
ボタンがあったところは何も無くなり、楽器のフレームだけとなります。



外したバルブと一体になったアーム部品です。
位置によって3種類の形状がありますので
混ざらないようにしなければなりません。



バルブに付いている古くなったフェルトと皮を外します。
接着剤で付いているので引き剥がすだけですが後の清掃が結構大変です。
全部で110個ありますので..
この後、新しく作製したフェルトと皮を貼り付け、
楽器に戻しますが、これが大変難しく、時間の掛かる作業となります。