ベースメカニックの修復2015/02/11

ベースメカニックを分解して戻せなくなった
楽器の修理を承りました。



ベースメカニックのボタンを全て取り出しました。
取り敢えずボタンはバラバラになっていない状態で外しましたが、
このように置いてみるとやはり歪が出ている箇所がありそうです。



楽器側に残っているメカニックですが、
同じライン上に並んでいる筈のピンに歪が出ていて
一列になっていません。



こちらはコードボタンの方ですが、歪が出ている様にも見えますが
大丈夫な感じもします。



ボタンを残したまま取り外された、ボタンの下にある
穴が多数空いた板を戻しますが、やはり無理に外したのでしょう、
本体とネジで結合するステーのネジ位置が一致しません。



板を戻した後、ひと纏まりになったボタンはバラバラにして
一つずつ戻して行きます。



戻す途中で懸念された事が起きました。
画像の一番右のボタンの部品は歪があり、明らかに曲がっています。
その為、櫛形になっている木製の受けの溝からズレています。



歪は垂直方向だけではなく、横から見ると大きく曲がっています。
2方向で歪があると修正が難しくなります。
元々、真っ直ぐな単純形状ではありませんので。


歪を修正して部品を戻しました。
スムースに動くのを確認して次のボタンへ進みます。
ボタンの歪だけではなく、楽器側の部品の歪のチェックと、
位置の修正を行うので時間が掛かります。



ベースボタンが全て入りました。



次に、コードボタンの後端部分を受ける、櫛形の受けを
楽器に取り付けようとしましたが、ここでも歪が出ていました。
木製のボタン受け部品と本体の金属部品のネジ穴が一致しません。



両端にあるネジ留め部分の反対側はかなりの歪があり、
見てすぐに分かるほど変形しています。
各部の歪修正を行いながら全てのボタンを戻して
動作チェック、空気漏れチェックを行い、作業終了しました。

アコーディオンのベース部分は大変複雑な機構になっていますので、
ボタンが戻らない等のちょっとした不具合が起きる事があります。
そんな時も自分で修理しようとせずに専門店に持って行けば
費用も時間も大きくかからずに修理できる事が殆どです。
無理に分解して余計な不具合が出てしまうと
時間の掛かる修理になってしまう事もあります。



てんぐの下に2015/02/12

最近、大きな天狗の面の看板があった所の看板が外されました。
昨日、その看板の所に足場が出来たという事を書きましたが..


今日、現場を通ると足場が無くなっていました。
そして、天狗の面の下にあった板張りが無くなっており、
元々あったと思われる窓が見えるようになりました。
あの面の下に窓があったとは..
結局、看板は無しでこの状態で終了という事でしょうか。



Super Ballo2015/02/16

当店で輸入しているイタリアのCooperfisa から
新しいアコーディオンが届きました。
Super Ballo という、コーペルフィサの中では
スペシャルモデルに位置づけられているモデルです。



41鍵盤、HMML、ダブルチャンバー、120ベースという
フルスペックの楽器です。
今回はお客様のオーダーにより、白ボディーで作りましたが、
色、装飾など自由に設定可能です。
また、MMMLで作製する事も可能です。



今回は少し装飾が入れてあります。
メーカーロゴはラインストーン入りの物で、
グリルカバーには、手書きのラインとラインストーンが入っています。
鍵盤はパール仕様。
メーカーロゴは今回の様なペイントにラインストーンというタイプ以外に、
金属製の筆記体の貼り付けるタイプの物が大小2種類あります。



蛇腹の内側は青です。
蛇腹の外側の見えている部分と内側の色も指定できます。
グリルカバーはSuper Ballo 仕様ですが、
この部分も任意にデザインする事が可能です。



Super Ballo ですが、どこがスペシャルなのかと言うと..
最上位機種のSuper Cesare と同等以上の基準で作成され、
ハンドメイドリードも入っており、発音や操作性に
優れているのは勿論です。
このモデルの一番の特徴は、小型軽量であるという事です。
上の写真ですが、上がSuper Ballo で、下の黒い楽器は
Cooperfisaの一般的な41鍵盤ダブルチャンバーモデルです。
並べてみると本体の大きさがかなり小さい事が分かります。



本体を小型にして軽量化したモデルは他社でもよくありますが、
このモデルは鍵盤幅を犠牲にしていません。
鍵盤の方を並べてみると幅は標準モデルと大きさが同じです。
鍵盤を少し細く作ったアコーディオンもありますが、
手の大きい人には使いにくいところがあったり、2台以上持つ場合、
鍵盤幅が変わると使いにくいという人もあります。



41鍵盤ダブルチャンバーの鍵盤の細いモデルと並べてみました。
本体部分は大体同じですが、鍵盤部分は違いがあります。
Super Ballo は、本体サイズを細い鍵盤の楽器と同じサイズで作り、
鍵盤部分は一般的なサイズで作るという方法で、
鍵盤の操作性を犠牲にせずに小型軽量化を図った特別な機種です。



重さを量ってみると11.4kgでした。
ダブルチャンバー、41鍵盤で、鍵盤が標準サイズである事を考えると
かなり軽量と言える数値です。
ちなみに、カタログやメーカーのサイトに書いてある重さは
ハッタリが多いので鵜呑みにしない事です。



参考までに、細鍵盤のダブルチャンバーの楽器は12kgでした。
ただ、楽器の重さは音質や耐久性に影響する部分もありますので、
大きさが従来と変わらないのに変に軽い楽器はよく考えて選びましょう。


クロマチック バンドネオン2015/02/16

珍しいクロマチックのバンドネオンがイタリアから届きました。


イタリアのアコーディオンメーカー、Cooperfisa の物です。
大きさや見た目はバンドネオンに近いですが、ボタンの形状や配列が
通常のバンドネオンと違っています。
通常のバンドネオンは蛇腹の押し引きで同じボタンでも音程が変わる
ダイアトニック方式ですが、このバンドネオンはアコーディオンと同じで、
蛇腹の押し引きで音程が同じであるクロマチック方式です。



右手は高音部になっていて、31音あります。
ボタンの並びはボタン式アコーディオンと同じで、
半音で順番に並んでいます。
ボタン式アコーディオンを使っている方はすぐに弾けると思います。



左手側も単音で右と同じ様に半音で順に並んでいます。
右と同じで31音あり、左側は低音部の音程になっています。
左手側は通常のバンドネオンと同じ様に手の下の所に箱がありますので、
バンドネオンの様な響きが再現されています。



バンドネオンの様に左右の蓋のところには美しい
透かし模様が入っています。
空気ボタンは両手共に付いています。



リードはアコーディオン用の物を用いていますので、
バンドネオンの様に亜鉛の一枚板に複数のリードが付いていません。
ですので、この部分でバンドネオンと音質の差があります。
その代わり、メンテナンスの費用が安く、楽器自体も
バンドネオンより大幅に低価格ですので、気軽に始められます。
勿論、バンドネオンと同様、オクターブ違いの同音が同時に
鳴っていますのでそれらしい音は出ます。

空気ボタンのバルブはバンドネオンの様に大きな物が使われていますので、
瞬時に大きく空気を抜く事ができます。
ダイアトニックでは無いのでその必要はあまり無いかも知れませんが..



ボタンにはCとFに触って分かる印が付いています。
バンドネオンは良い音ですが、操作が大変難しく、楽器も高価ですが、
このクロマチック式であれば気軽にバンドネオン風の音と
スタイルが得られます。
バンドネオンと同じ物ではありませんが、見方を変えれば
安価な小型のフリーベースアコーディオンです。
アコーディオンとかバンドネオンとか区別せずに新しい楽器と
捕らえる事もできると思います。
これでバッハなどのクラシックを演奏するのも面白いと思いますし、
自由な和音構成が可能なのでジャズを演奏しても面白いかも知れません。
この楽器で自由に演奏できれば、後に本格的なフリーベースの
アコーディオンに移行する事は難しくないと思います。
フリーベースアコーディオンの為の練習機としても使えそうです。


さようなら Mr.Spok2015/02/28



アメリカの超有名SFドラマ、「Star Trek」で、耳の尖ったバルカン人と
地球人の混血という設定のスポック役で有名な
Leonard Nimoy氏が亡くなりました。
日本では1969~1970年に「宇宙大作戦」の名前で放送されたようですが
私は2、3歳なので見ていません。
ですが、宇宙船の形やスポックの顔、扉の開閉する音など、断片的に
記憶があり、未来的な映像にかなり興味を持って眺めていた様な
僅かな記憶があります。
その記憶はもう少し後の再放送だったのかも知れません。

その後、きちんと見たのは高校生の時に深夜、再放送されていた時です。
それで一気に虜になりました。
その後作製された映画や他のシリーズも全て見る程のオタクぶりです。
上の写真は私が所有の食玩のオマケのスポックと自作のプラモデルです。
まだ世の中に出たばかりだった青色LEDを仕込んで
電飾仕様にしてあります。(プラモデルはエンタープライズBです)
白色はまだ無かったのでオレンジ色LEDと混ぜて実現しています。

オリジナルシリーズの主なメンバーである、
カーク船長、ミスタースポック、ドクターマッコイの中でも、
スポックは私の一番のお気に入りです。
昨年の劇場版最新作でもチラッと出演したスポックことNimoy氏ですが、
2月27日に亡くなられたというニュースが入ってきました。
年齢が年齢なので仕方ありませんが結構ショックです。
この中でまだ存命なのはカーク船長だけになりました。