アコーディオンの価格差2021/05/23

アコーディオンの音が出にくい箇所があるということでお電話を頂き、
修理を行う事になりました。

持ち込まれた楽器は日本名ブランドで販売されている中国生産の物です。
10万円前後で販売されているエントリーモデル的な楽器です。

持ち込まれた方のお話をうかがうと、Lリードの低音の音で大きい音が出ないという
症状で、特に数箇所は顕著との事でした。
このクラスの楽器では低音域の大きい音は出にくいのが普通で、
これは仕方がない事と、失礼かと思いましたが事実なのでお伝えしました。
これは、リードが弱い事や楽器の構造から来るものです。

折角お持ちいただいたので、仕様ですと言ってお返しするのは申し訳ありません。
発音が悪い部分も優劣があるという事なので調整をすれば仕様の範囲内で
全て「優」とする可能性があります。
という訳で、低音部のLリードを外して調整しています。
これで楽器の能力上限の性能を引き出せます。
当店で販売する楽器であればこのような調整は済ませたうえで、
全体の調律を行ってお渡ししています。

管楽器と一緒に演奏する事が多いとの事なので大きな音で鳴らしたいそうです。
大きな音で演奏する方はイタリア製などの楽器に変えることをお勧めいたします。
アコーディオンの価格の違いで楽器としての差が出るのは
大きな音が出せるかどうかです。
大きな音が出るかどうか?というより、大きな音で鳴らした時に
きちんと音が素早く出る、という事と、ピッチが下がりにくいという能力です。
低価格な楽器では、大きな音の時の音の発音の立ち上がりが悪く、
ピッチの低下も起きやすいです。
高級な楽器ではそれらの耐性が高くなります。

弱い音がきちんと出るかどうか?というのは価格差よりも
きちんと調整できているかどうかに関わってきます。
高価な物でも、有名ブランドの物でも、調整が悪ければ弱い音の発音は悪いです。
ただ、中国製の楽器の場合、弱い音は調整しても限界があります。
アコーディオンの価格差はそういうところに出てきます。

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