ベース側修復2008/06/03

3連休明けの火曜日です。今日は、先週、鍵盤を修復した楽器のベース側の修復を開始しました。いつも通り分解から始めます。分解、古いバルブの除去、新しいバルブの準備、バルブの組み付け、機構部分の組み付けという手順です。バルブ交換からの組み付けが一番難しく、時間も掛かります。もっとも重要な調整を行いながら組み付けていくからです。分解して空になったケースの研磨作業も行いました。これを行うと新品の様にピカピカになります。

無い物は、2008/06/04

ベースの修復も終了した、ソプラーニのチャンバー付きのアコーディオン。今日は、再び右側に戻ります。白鍵の表面を全て交換し、取り付けも終了しましたが、鍵盤の側面の下にあった黒い板が無いので木が丸見えです。これが無いと、鍵盤が沈む量もバラバラですので、今日はその小さな板から始めました。
その板は、専用の部品が無いので、黒い板を切って自分で作りました。無い物は作るしかありません。こういった、無い部品を作って修復する作業は山本楽器さんでは普通の事でしたので、新品部品を使うよりも自分にとってはなじみがあります。板を切った後、寸法を精密に合わせながらエッジを綺麗にし、最後は表面を研磨してピカピカにしました。これを鍵盤の下に貼り付け、鍵盤修復は完了です。見た目、新品同様!

ですが..
実は、まだチャンバー側のバルブは付いていないので、今、蛇腹を動かすとチャンバー側が全部鳴ります。これからが、肝心のチャンバー側バルブの取り付けと調整です。これを教えてもらいながら取り付けを開始しました。

チャンバーのバルブ2008/06/05

今日はチャンバーのバルブ取り付けを行いました。これはかなり大変というか、根気のいる作業です。うまくやらないと後で空気漏れが起きます。取り付けと調整を一つずつ進めます。ゆっくりにしか進めないので今日一日かかっても終わりませんでした。

チャンバーのバルブ22008/06/06

今日も、昨日から行っているチャンバーのバルブの取り付けと調整の作業を行いました。チャンバー側のバルブは、表に出ているチャンバーの無いバルブと違い、奥まった狭い所での作業になる為、非常に作業がやりにくいです。目視もしにくく、道具なども入りにくいので作業は大変困難です。また、一つの鍵盤から二つに分岐した枝の先に、チャンバー用と、通常の音のバルブが付いていて、一つのバネの力を両側のバルブに均等に分けなければなりません。その調整は微妙で非常に難しく、片方のバルブの力が不足すれば空気漏れを起こしてしまいます。
今日一日かけてようやく、この作業を終了させ、鍵盤を全て元通りに組み付ける事ができました。

ちなみに、楽器を作成する時は、チャンバー部分の組み立てをする前にバルブの固定を行う為、チャンバーなしのバルブと同じ様に組み付けるだけで済みます。その後、チャンバーの壁となる部分を取り付けて接着してしまうので、次回からの組み付けはチャンバー内で行わなければなりません。偶に、チャンバー壁が接着されておらず、ネジで外せる楽器もあるそうです。大半の楽器が接着されているので、恐らく音質的に接着が最良なのでしょう。

セミナリオの猫2008/06/07

今日は土曜ですが、午前中に出勤する人がいたので半日、作業をしました。昨日、チャンバー側バルブの取り付けと調整を終了した楽器の空気漏れを確認する為に、蛇腹とベース側本体を取り付け、鍵盤を押さずに圧力をかけてチェックしました。音が出る場所は無く調整はうまく行ったのですが、バルブとは別の場所の空気漏れを発見したのでその部分の修理を行いました。その後は、手伝いで別の楽器のベース分解を行いました。

お昼にセミナリオに戻り、昼食後、部屋に戻ろうと廊下を歩いていると、突き当りの休憩室の入り口で一匹の猫がいました。私は、猫好きなのでそのまま休憩室に行ってしばし猫と遊びました。首輪はありませんが、館内である事と、その慣れ具合から間違いなく飼い猫です。
私の家には猫がいましたが、一昨年前に老衰で死んでしまいました。18年以上も生きていたので長らく猫のいる生活をしていました。猫とじゃれるのは久々です。やっぱり猫は癒される..
でも、もう飼うのはやめようと思っています。