Sacro Monte 22008/05/03

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Sacro Monteの山頂ロープウェー駅からはすぐに山頂の教会などがある主要物まで行けます。駅にはパンフレットがあるので忘れずにこれを持って行きましょう。(この記事見て行く人、いるかな..)
この山頂は公園になっていて、大小合わせて20近い建物が集まっています。一番大きな建物は教会で、ホテルやレストランもあります。その割りには商業的観光地の臭いはしません。変に派手ではないからでしょう。もちろん入園料はありません。
そんなに広くない山頂公園に何故20以上もの建物があるかと言うと、かなり小さい物もあるからです。大きい建物は細かく部屋に分かれています。これらの建物は殆どが教会です。それで、建物や各部屋は写真の様になっている面が必ずあります。天井から中ほどまでは、中が見えない様な透明なガラスでできています。真ん中あたりには木の透かし彫りの板がはめてあり、顔より少し小さいくらいの穴が数箇所、開けられています。そして、この穴から中を覗くと..

Sacro Monte 32008/05/03

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小さな建物や、小さく仕切られた部屋の木の透かし彫りの板に開いた穴から中を覗くと、そこには色も鮮やかに塗られた等身大の人形や物が配置され、聖書に書かれている場面が立体で再現されているのです。これは結構凄い。人形は、木彫りか粘土という事ですが、非常にリアルです。また、背景が壁に描かれていますが、穴から覗いて見ると、立体でできている部分と、壁の平面の絵が融合して奥行きが増します。この人形などの立体部分が凄いのは、覗いた方向以外の部分、つまり見えない所もきちんと作られていて、何処から見ても大丈夫な作りになっています。
聖書の場面は、最初のアダムとイブから始まり、40以上の場面があり、人形の数は800以上もあるそうです。別に聖書やキリスト教に詳しくなくても、信者でなくとも、十分に楽しめます。
これは普通に部屋に作って眺めるようにもできたでしょうけど、覗くというところにポイントがあります。覗くことにより、視界から余計な物が無くなります。また、普通に見るのとは違い、心理的に特殊な影響があると思います。その事により、別世界を見ている様な錯覚が起きます。臨場感があるといっても、色はとても鮮やかで、実際の物より強調されている感じがあり、その事で現実とは違う世界を見ている様な効果もあると思います。日本にも古い寺や神社、或いは何かの資料館などに等身大の人形で場面を作った物などがありますが、何故か不気味な印象がありました(少なくとも私の体験では)。しかし、ここの人形は色の鮮やかさのせいか、全然不気味な感じがしません。これは不思議な感覚でした。
この「場面覗き」は、前半1~19までが公園の自然の地形の中に点在する建物にあり、残りは頂上の建物にあります。なので、順を追って見て行くと、自然に散策ができる様になっています。最初に、頂上ロープウェー駅でパンフレットを忘れない様に、と書いたのは、この順路を示した地図があるからです。これを見ながら回れば効率よく全ての場面を見られます。
ここの見物のもう一つのポイントは、晴天の日を選ぶ事です。建物の中の立体物や壁画はすべて、自然採光によるものです。なので、曇りの日では照度が低いのと、色温度が下がるので、折角の鮮やかな色彩が楽しめません。是非晴れた日に行きましょう。(誰が行くの?)
でも、こんなに楽しめる場所がどうしてイタリア旅行ガイドとかに載っていないのか(私が知らないだけかも?)不思議な位、面白い場所でした。北イタリアへ旅行する予定のある人は、ちょっと考えてみては如何?

Varallo 32008/05/03

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Sacro Monteをすっかり楽しんで、下りは気持ちの良い遊歩道で下りました。もうお昼になるなぁ..と思いながら下っていると、下りきる少し前にレストランの小さな看板とメニューが貼ってありました。丁度良いタイミングと思って脇にある階段を下り店へ入りました。丁度12時くらいで、まだお客さんはゼロ。イタリアはお昼のレストランは大体、13時前頃に客が来ます。ちなみに夜は8時半頃から。客がいないので躊躇しましたが、開いてる?と聞くと、感じの良い店員さんが対応してくれたので入店し、窓際の席に座りました。メニューを見ると、ツーリストメニューというセットが15ユーロであったのでそれを注文。飲み物は赤ワイン1/4Lと炭酸入りの水を注文。メニューはパン、プリモ、セコンド(付け合せつき)、ドルチェ、水、コーヒーと、一通り揃っています。これを、Vercelliの普通のレストランで注文すると19ユーロにはなるでしょう。最初にパンと水とワインが出てきました。このワインがとてもうまい。赤とは思えない程、軽くて爽やか、微炭酸入り。長居できたら1/2Lでも飲んだかも知れません。次に出たプリモのパスタがまた凄い美味しかった。生パスタの生地にバジルが練りこんであって、ソースはチーズ系。北イタリアでは、生パスタにチーズ系のソースというのは定番です。写真はそのパスタですが、味まで伝わらないのが残念。セコンドは付け合せのポテトがたっぷり載った牛肉のソテー。これも脂身が殆ど無くておいしかった。ドルチェは今までに食べた事のないケーキが出ました。多分、自家製だと思いますが、色は焦げ茶色ですが味はチョコではありません。生地の中にはドライフルーツが沢山入っていてこれも美味しい。これで15ユーロなら大満足。のんびり食事を楽しみました。食事している間に客がかなり入って来たので、地元でも評判なのかも知れません。BGMも良かったし、店の雰囲気も、店員の対応も良かったし、もう一度行ってみたい店でした。それで、会計ですが席料もワインも全部込みで15ユーロしか取られませんでした。なんて良い店でしょう。場所は、ロープウェイの下の駅から先に少し山の方へ上ったところです。Varalloへ行った時は是非..

ゆっくり食事をして、のんびりとVaralloの町を抜けて駅まで戻り、バスの時間を確認すると夕方までにまだ2本あるようでした。が、良く見ると、下の方に土曜は除くと注意書きが!慌てて切符を買いに駅まで戻り、15時頃のバスで戻りました。Varallo、Sacro Monte含めて、日帰りで十分に楽しめるところでした。これでバス代が往復9ユーロですから、安くてとても楽しめた一日でした。

美術館2008/05/04

4連休も最後の日曜です。今日はVercelliにあるBorgogna美術館へ行きました。場所はセミナリオから歩いて10分程度のところです。前から気になっていましたが、やっと今日行きました。日曜は10~12時半の開館なので10時少し過ぎに入りました。表向きはあまり大きくないので、すぐ見終わるかと思いましたが中は結構広く、フロアーも3階まであり結局1時間半ほどいました。特に有名な画家の作品がある訳ではありません。地元出身の画家とか、教会にあった物などが主な所蔵品です。年代別に展示されていて、最初の方は宗教画ばかりです。段々と年代が新しくなると、人物や静物、風景と被写体も色々になります。
この広い美術館、入ったときから出る時まで、お客さんはゼロ。私1人でした。入った時は展示スペースが消灯されていましたから。地元の人はもう見飽きている。外部の人が来る程有名でもない..と言ったところでしょうか?貸切で、こんなに沢山の絵が見られるなんて贅沢な時間を過ごしました。有名な絵など無くても十分に楽しめました。

車の集まり2008/05/04

美術館を出て、お昼なのでよく行くレストランの方へ向かっていると、駅前からの大通りの中央にある広場で市がやっていました。日曜は大抵、どこかの広場で市をやっています。今日の市は、Vercelliの味覚というタイトルなのでサラミやチーズ、お菓子、パンなど食品が殆どでした。市を抜けると、また車の集まりをやっていました。日時と場所を決めて、古い車や、特殊な車のオーナーが集合しているのだと思います。こういう集まりも日曜にはかなり頻繁にあるようです。今日はクラシックカーに加えて、フェラーリ集団もいました。他にカワサキのマッハ集団や、見たことの無いイタリアの原付メーカーの集団もいました。その会場には自転車のとても古い物が3台展示してありました。外観の状態から見て、恐らく復刻品ではなく本物だと思います。横に貼ってあった説明では1815年と書いてありました。車の集まりと同列に自転車もあるというのは、ヨーロッパでは自転車も車として認めているからでしょう。日本でも、もちろん法律上は車両ですが実際に国民も行政もそのような扱いをしていない事が多いです。車道を走れば車に睨まれるし、歩道でも歩行者にベルを鳴らして通過する人がいたり、自転車が走るべき場所が確保されていなかったり。イタリアではどんなに遅い老人が乗った自転車でも車と同じにロータリーに侵入してクルクル回って目的の分岐に出て行きます。きちんと片手で手信号もしています。運転すると気の短いイタリア人ドライバーも嫌な顔ひとつしません。自転車専用道路も多いです。本当に羨ましい。日本では、歩道で自転車との事故が多い事を理由に取り締まりを厳しくするという報道を見ましたが、そういう対症療法的な事ではなく、通行場所の整備と、きちんとした教育と法整備をして欲しいと思います。