Sacro Monte 32008/05/03

下の続きです。
小さな建物や、小さく仕切られた部屋の木の透かし彫りの板に開いた穴から中を覗くと、そこには色も鮮やかに塗られた等身大の人形や物が配置され、聖書に書かれている場面が立体で再現されているのです。これは結構凄い。人形は、木彫りか粘土という事ですが、非常にリアルです。また、背景が壁に描かれていますが、穴から覗いて見ると、立体でできている部分と、壁の平面の絵が融合して奥行きが増します。この人形などの立体部分が凄いのは、覗いた方向以外の部分、つまり見えない所もきちんと作られていて、何処から見ても大丈夫な作りになっています。
聖書の場面は、最初のアダムとイブから始まり、40以上の場面があり、人形の数は800以上もあるそうです。別に聖書やキリスト教に詳しくなくても、信者でなくとも、十分に楽しめます。
これは普通に部屋に作って眺めるようにもできたでしょうけど、覗くというところにポイントがあります。覗くことにより、視界から余計な物が無くなります。また、普通に見るのとは違い、心理的に特殊な影響があると思います。その事により、別世界を見ている様な錯覚が起きます。臨場感があるといっても、色はとても鮮やかで、実際の物より強調されている感じがあり、その事で現実とは違う世界を見ている様な効果もあると思います。日本にも古い寺や神社、或いは何かの資料館などに等身大の人形で場面を作った物などがありますが、何故か不気味な印象がありました(少なくとも私の体験では)。しかし、ここの人形は色の鮮やかさのせいか、全然不気味な感じがしません。これは不思議な感覚でした。
この「場面覗き」は、前半1~19までが公園の自然の地形の中に点在する建物にあり、残りは頂上の建物にあります。なので、順を追って見て行くと、自然に散策ができる様になっています。最初に、頂上ロープウェー駅でパンフレットを忘れない様に、と書いたのは、この順路を示した地図があるからです。これを見ながら回れば効率よく全ての場面を見られます。
ここの見物のもう一つのポイントは、晴天の日を選ぶ事です。建物の中の立体物や壁画はすべて、自然採光によるものです。なので、曇りの日では照度が低いのと、色温度が下がるので、折角の鮮やかな色彩が楽しめません。是非晴れた日に行きましょう。(誰が行くの?)
でも、こんなに楽しめる場所がどうしてイタリア旅行ガイドとかに載っていないのか(私が知らないだけかも?)不思議な位、面白い場所でした。北イタリアへ旅行する予定のある人は、ちょっと考えてみては如何?

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