Varallo 12008/05/03

今日は土曜。木曜からの4連休の3日目です。昨日、市内の観光案内所で手に入れた資料でVercelliから近い所でちょっと面白そうな場所を見つけたので行ってみました。それは、Varalloという町でVercelliからはバスで1時間半、スイス方面に北上した位置にあります。Varalloは小さな古い町で、面白そうだと思ったのはSacro Monteという小さな山があり、その頂上にカトリック関係の公園があるからです。バスでかなり田舎の方へ行くので景色が楽しめそうな気がしたのも理由の一つです。

Vercelliへ来てバスに乗るのは初めてなのでちょっと緊張しました。時刻表とバスの番号を見てバスを探しました。Varalloへ行くバスへ乗り、運転手に切符は何処で買うのか尋ねました。スキンヘッドに真っ黒のサングラスの運転手は何も言わずに指差しで「あっちで買って来い」といった感じで答えました。なんか感じ悪いな..と思いつつ、タバコ屋で切符を買ってもう一度バスに戻り出発しました。他に乗客は2名しかいません。土曜で7時半ですから。バスは放送も何もなく、停留所の前でアナウンスしません。バス停に乗客がいなくて、停車のボタンを押していなければ通過しますので、地図を見て現在位置を確認しながら行きました。今日は天気も良く、段々と白い雪を被った山が近くになって来るのがよくわかります。
緊張しながら周りと地図を確認し、次が停留所と判断して停車ボタンを押しました。停留所の場所はVaralloの電車の駅です。(電車はここが最終地点)
するとバスは停まりましたが、運転手も降りたのでボタンを押さなくても停まる場所だったみたいです。駅構内のBarへ行って朝食代わりにカプチーノを飲みました。するとカウンターの横にバスの運転手が来てコーヒーを飲んでいました。サングラスを外したら意外とカワイイ目でちょっと笑えた。
案外簡単にVaralloへ着く事ができました。時間はまだ9時前で、開店の準備をしている商店街を歩いて町の奥へ行きました。バスで来る途中は白い山が沢山見えましたが、ここは低い山に囲まれていて遠くに少し白い山の上の方が見えるだけです。町は奥へ行くと次第に古さを増してきて趣があります。写真の様に軒がぶつかりそうなくらいの狭い路地が幾つもあります。町の端にはSesia川があり、小さな橋が架かっています。この川は、Vercelli市内にも流れています。Vercelliで見るSesia川とは全然違い、水は透明で流れも速いです。写真は橋から見たVaralloの町ですが、何故かどことなく郡上八幡の景色に似た感じがあります。建物の上に山があり、その上に何か建物があるところがSacro Monteです。

Varallo 22008/05/03

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Varalloの町自体は、町並みと自然と教会を見るという感じです。町並みはVercelliよりもずっと古い感じがします。目的のSacro Monteへは、歩いて登る方法と、小さなロープウェーで行く方法があります。標高は600mですが、Varalloからの標高差は450m程度ですので、歩いても簡単に登れます。道路もしっかりしているので車でも行けます。私は折角なので上りはロープウェーで、下りは徒歩でという事にしました。ロープウェーの乗り場を目指して歩くと、途中に教会があります。名前はSanta Maria delle Grazie教会。あの、ミラノにあるダビンチの最後の晩餐がある教会と同じ名前です。建物自体は結構地味ですが、中が凄いです。正面の壁には聖書に書かれている場面が描かれています。かなり精密に色々な物が描かれていますので、暫く見入ってしまいました。奥の方の祭壇も金ピカで派手でした。しかし、この後、Sacro Monteではもっと凄い物を見ます..

Sacro Monte 12008/05/03

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凄い壁画の教会から歩いてすぐの所にロープウェーの駅がありました。ロープウェーと言っても本当に小さい物です。利用者もそんなにいないのか、停止状態で客が来ると動かすと言った感じです。運賃は片道2ユーロもしない位だったと思います。私が乗ったときも客はおらず、ゴンドラ貸切状態でした。大きさも、スキーのゴンドラ程度で、立って6人乗れば一杯くらいの大きさです。出発するとあっという間にSacro Monteです。山頂からはとても眺めがいいです。Varalloの町や、Sesia川や、山々が一望できます。近くにある山の合間には雪の被った山も遠くに見えます。

Sacro Monte 22008/05/03

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Sacro Monteの山頂ロープウェー駅からはすぐに山頂の教会などがある主要物まで行けます。駅にはパンフレットがあるので忘れずにこれを持って行きましょう。(この記事見て行く人、いるかな..)
この山頂は公園になっていて、大小合わせて20近い建物が集まっています。一番大きな建物は教会で、ホテルやレストランもあります。その割りには商業的観光地の臭いはしません。変に派手ではないからでしょう。もちろん入園料はありません。
そんなに広くない山頂公園に何故20以上もの建物があるかと言うと、かなり小さい物もあるからです。大きい建物は細かく部屋に分かれています。これらの建物は殆どが教会です。それで、建物や各部屋は写真の様になっている面が必ずあります。天井から中ほどまでは、中が見えない様な透明なガラスでできています。真ん中あたりには木の透かし彫りの板がはめてあり、顔より少し小さいくらいの穴が数箇所、開けられています。そして、この穴から中を覗くと..

Sacro Monte 32008/05/03

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小さな建物や、小さく仕切られた部屋の木の透かし彫りの板に開いた穴から中を覗くと、そこには色も鮮やかに塗られた等身大の人形や物が配置され、聖書に書かれている場面が立体で再現されているのです。これは結構凄い。人形は、木彫りか粘土という事ですが、非常にリアルです。また、背景が壁に描かれていますが、穴から覗いて見ると、立体でできている部分と、壁の平面の絵が融合して奥行きが増します。この人形などの立体部分が凄いのは、覗いた方向以外の部分、つまり見えない所もきちんと作られていて、何処から見ても大丈夫な作りになっています。
聖書の場面は、最初のアダムとイブから始まり、40以上の場面があり、人形の数は800以上もあるそうです。別に聖書やキリスト教に詳しくなくても、信者でなくとも、十分に楽しめます。
これは普通に部屋に作って眺めるようにもできたでしょうけど、覗くというところにポイントがあります。覗くことにより、視界から余計な物が無くなります。また、普通に見るのとは違い、心理的に特殊な影響があると思います。その事により、別世界を見ている様な錯覚が起きます。臨場感があるといっても、色はとても鮮やかで、実際の物より強調されている感じがあり、その事で現実とは違う世界を見ている様な効果もあると思います。日本にも古い寺や神社、或いは何かの資料館などに等身大の人形で場面を作った物などがありますが、何故か不気味な印象がありました(少なくとも私の体験では)。しかし、ここの人形は色の鮮やかさのせいか、全然不気味な感じがしません。これは不思議な感覚でした。
この「場面覗き」は、前半1~19までが公園の自然の地形の中に点在する建物にあり、残りは頂上の建物にあります。なので、順を追って見て行くと、自然に散策ができる様になっています。最初に、頂上ロープウェー駅でパンフレットを忘れない様に、と書いたのは、この順路を示した地図があるからです。これを見ながら回れば効率よく全ての場面を見られます。
ここの見物のもう一つのポイントは、晴天の日を選ぶ事です。建物の中の立体物や壁画はすべて、自然採光によるものです。なので、曇りの日では照度が低いのと、色温度が下がるので、折角の鮮やかな色彩が楽しめません。是非晴れた日に行きましょう。(誰が行くの?)
でも、こんなに楽しめる場所がどうしてイタリア旅行ガイドとかに載っていないのか(私が知らないだけかも?)不思議な位、面白い場所でした。北イタリアへ旅行する予定のある人は、ちょっと考えてみては如何?